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ルンドリンゲ(丸い集落) - ヴェンドランド地方の丸い集落

 

ルンドリンゲ(丸い集落)とは、北ドイツのヴェンドランドに昔から伝わる集落の形態で、複数の民家が円を描くように並んでいます。その歴史は数百年に及びます。

 

歴史

12世紀、スラブ人が現在のドイツに入植してきました。当時のドイツの貴族は、彼らに丸い集落を作るようにと指示を出しました。そして民家は馬蹄形に並ぶように建てること、敷地面積をどの家もほぼ同じにすることという決まりがありました。集落には通り抜けられる道は無く、必ず入り口から入って同じ道から出るように作られています。


Rundling Mammoißel

 

集落の建設

まずはじめは主要な道路から離れたところに小さな集落を作りました。土地がやせているところでは、小さな集落が少しの距離を置いて幾つも作られました。これらの集落は今もLüchow-Dannenberg に保存されています。集落は水源近くや湿地帯と、少し高地になっている場所の中間地点に作られました。集落の入り口は高台の方に、庭は湿地帯に近い方に作られました。

 

丸い集落の変遷(中世後期)

初期の頃の丸い集落は、半円形或いは馬蹄形に民家が並び、庭を境にして立ち並んでいました。中世後期になると人口が増え、庭の敷地に新たに別の民家が建てられるようになり、集落の入り口近くにも家が立ち並ぶようになりました。そして半円が次第に伸びて行き、隙間の無い円形になって行きました。民家はそれぞれが円の中心に正面を向くような形に建てられました。鋭角二等辺三角形のような敷地が集まって丸を形成する集落はまるで、丸いケーキのようです。 土地の区分けが進んでも、円の中心点は変えませんでした。

18世紀ごろまでには、大小さまざまな丸い集落がたくさん作られました。大きさは異なっても集落を形成するコンセプトはそのまま維持されました。火事で集落丸ごと消失したこともありますが、再び同じコンセプトで建築されました。

 

教会は集落の外

丸い集落の特徴として、集落の中には教会を建てなかった事があげられます。

複数の集落がひとつの教会を共有することはありましたが、教会は必ず集落の外側に建てられました。同じ形の民家の列の中に教会が入ると、円の形が歪になってしまうからです。同じ理由で学校、レストラン、商店などの大型建築物も集落の中には建てられませんでした。民家の三角の面がいつも中心を向いている統一された姿を守ることの方を重要としました。

 

丸い集落とドイツ低地地方の木組みの家

丸い集落を形成する民家はほぼ同じ形の木組みの家です。ドイツ低地地方独特の木組みの家の特徴は、まず大きな屋根にあります。そして同じ屋根の下に、住人の居住スペースと家畜がいるスペース、飼料や道具を保管する部屋などが全部収まっていること。丸い集落の中心側に向かって家畜小屋の入り口があり、住人の居住スペースは裏の庭側に面していること。木組みの家の側面にある太い梁には宗教上の一節と飾りの彫刻が施されていること。そして、門の枠木には住人の名前とその家が立てられた年が彫刻されていることです。

 

丸い集落 20世紀

工業技術の革新に伴って民家の形態も変化を余儀なくされるようになりました。小さな家屋や敷地では使い勝手が悪くなり、取り壊しや増築などをする必要が出てきました。1960年台になると、丸い集落の形を維持できなくなるところが増え、文化財保存推進派の学者や政治家たちから惜しまれるようになりました。 その後、1969年に丸い集落保存会が設立されました。そして丸い集落保存会の熱心な活動が実を結び、各地の愛好家から寄付金が集まり博物館の建設、集落の修復が可能になりました。また丸い集落の民家に住んでみたい、買い取りたいという人々が新たに入植してきたことが、新しいコミュニティー形成に発展し、新たなライフスタイルが丸い集落に築かれるようになってきました。

 

ヴェンドランド地方の文化遺産

ヴェンドランド地方には200以上の集落があり、そのうち約80の集落が19世紀の丸い集落の姿をそのまま留めています。更にその中から丸い集落の特色を特に強く保存している15の集落をユネスコ世界文化遺産に登録申請中です。

特徴は半径8kmの円内に小さな集落が65存在すること。装飾の美しい木組みの家が円を描く形で並び、民家の様式に統一性があることです。

丸い集落保存協会は、集落の伝統を後世に伝える為に、ユネスコ世界文化遺産登録の活動を始めました。登録までのハードルは高いかもしれませんが、伝統ある集落が今も人々の生活の場として息づいているという点で、充分登録の資格があると思われます。丸い集落保存協会は現存する200の集落の現状調査を2年間かけて行い、将来のビジョンや問題点を検証します。そして将来にわたる保存活動の方針を確かなものにして行きます。 

黒川美樹

 


 

         

         

         

          


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